9月10日、村上春樹氏の新刊が発売されました。自伝的エッセイ「職業としての小説家」(スイッチ・パブリッシング)です。本の帯コピー。
誰のために書くのか、どのように書くのか、そしてなぜ小説を書き続けるのか、小説を書くための強い心とは。
紀伊国屋のポスターに書いてある内容紹介です。
多くの神秘のヴェールにつつまれてきた【作家 村上春樹】のなりたちを全12章のバラエティ豊かな構成で解き明かす。この秋にお届けする、村上春樹からの魅力的な贈り物です。
(紀伊国屋書店は村上春樹のノーベル文学賞受賞を応援します)
最後の一文がいいですね。本人は脳減る賞とかいって興味はないみたいなんですけども、出版業界振興のためにはとってもらった方が良いですね。
小説家志望向け?
ハルキストもとい村上主義者であればこれまでに慣れ親しんでいる内容だと思いますが、こうしてまとまって読めるのはありがたいものです。
村上氏の小説に関するエッセイは、小説家志望でなくても読んで面白く、気づきがたくさんあります。それにまつわる話も多いです。
少し残念
少し残念だったのは、紀伊国屋が村上春樹氏の新刊を取次会社を介さずに出版社から
9割を直接買い取るという内容が主に報じられたことでした。
新刊発売がニュースになるということ事態すごいことなんですけども。
紀伊國屋 村上春樹さん新作の9割買い取り販売 NHKニュース
村上春樹さん:紀伊国屋書店買い切りで話題 新刊書が発売 - 毎日新聞
【新文化】 - 紀伊國屋書店、村上春樹本9万部を買切り、取次・書店へ卸し
紀伊国屋が9割買い取った理由
こうした試みは本屋での売上を回復させることを狙ってのことのようです。ネット書店に対抗しようというわけです。アマゾンすごいですからね。個人的には、本屋で扱っていない新刊と中古はアマゾンで購入し、通常の新刊は本屋で購入しています。割合的に半々ぐらいです。
@紀伊国屋 梅田店
発売日に梅田の紀伊国屋に行ってみると、入口付近にコーナーが出来ていました。けっこう熱心に売っていたようです。早速、紀伊国屋で買って帰りました。
追記(9月23日):村上春樹「職業としての小説家」の感想
感想のエントリです。以下はこのエントリを書いた後に思ったこと。
僕は自分の興味に従って最後だけ読んでしまったんですけど、こうした読み方は間違っていたようです。時間をかけて最初から読むと最後の章を読んで腑に落ちました。ひとつの物語として読みました。はじめからゆっくり読むことをおすすめします。
書くということや表現について本質的なことが書かれています。書くということや表現することは誰でもすることなので特定の読者層に向けて書かれた本というわけではないようです。
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変な話なんだけどこの本を読んで思ったのはどんな本でも包括的な感想は書けないんじゃないかってことなんだ。だからといって好き勝手に読むというのもちょっと違うような気がしてきたんだ。この本からそれを学んだ。