新型ZOZOスーツをファーストゲットした人たちのインプレッションも一巡し、コレジャナイのではという声とは別にネットでは秀逸すぎる話題が繰り広げられています。
大きく分けて、UXデザイン、3Dテクノロジー、イノベーションの3つの切り口になります。
簡単に見て見ましょう。
目次
新型ZOZOスーツをめぐる秀逸すぎるUXデザイン論
これは簡単に言ってしまいますと、ガンツっぽい近未来デザインから水玉になったんだけどどうなんだろうという指摘に答える議論です。
基本的には、表面的なデザインは変わっても、「ECサイトで服を買うときにサイズがわからない、サイズが合わないという悩みを解決」という目的は変わってないよというものです。
この記事です。
この記事にありますUXデザインのUXとは、ユーザーエクスペリエンスの略で、ユーザー体験を意味します。つまり、UXデザインとは、ユーザー体験をデザインすることになります。
次の記事では、子どもにクリスマスプレゼントをあげる例を用いてUXデザインを説明しています。
参考:UXデザインとは ~ 身近な事例から理解する ~|最先端のUXデザイン論
家の中の飾り付けや靴下やトナカイのサンタさんのお話など子どもがクリスマスプレゼントをゲットするまでのプロセスがすべてUXデザインされています。
そして、クリスマスプレゼントの例から、UXデザインにおける企業とユーザーの関係を説明しています。
クリスマスプレゼントの例では、体験を提供する人と受ける人が親子でしたが、同様のことが商品やサービスにも必要とされます。そして、商品やサービスのユーザーに提供する体験をデザインすることが、UXデザインです。つまり、UXデザインでは、体験を提供する人と受ける人が企業とユーザーの関係になるのです。(出典:前掲)
ZOZOスーツのデザインが目的だったのであれば、水玉への変更は問題でしたが、ZOZOスーツ自体のデザインが目的だったわけではありません。最初のデザインがインパクトがありキャッチーなものになりすぎてしまったという問題はあるかと思います。
もうひとつの問題として、計測方法の変更があります。
着るだけで一瞬で計測できたものが、自分で回転しながら12回もスマホで撮影するという変更です。かなり手間が増え、計測もイージーとはいえない傾向があります。
デザインよりも、むしろこちらの方が大きな変更かと思います。
しかし、理由があるのです。
これは、旧型ZOZOスーツの計測画面です。
人体は黒くモデリングされているだけです。
では、新型ZOZOスーツの計測画面を見て見ましょう。
一見、同じように見えますが、人体モデルが3D化されているのです。
この人体の3Dモデルがスマホの画面上でくるくると回り、自分の体型が確認できるのです。そのために、体型管理や体重管理、筋トレと組み合わせてはどうかといった指摘が相次いでいるわけです。
このことは投資家への説明会でも公式サイトでも説明されていますが、テーマとして焦点が当たっているとは言えません。
この3D化のために、自分で回転してスマホで撮影するという変更が必要だったとも考えれらるわけです。
このあたりの議論がテクノロジーという切り口で明らかにされます。
新型ZOZOスーツをめぐる秀逸すぎる3Dテクノロジー論
ZOZOSUITこれはもしかして!? pic.twitter.com/npWgbC50M1
— ミクミンP/Kazuhiro Sasao (@ksasao) 2018年4月30日
新型ZOZOスーツのコンセプトにある「あなたの3Dモデルを作成」に着目しています。
つまり水玉はただの水玉ではなく3Dモデルを作成するための水玉だったのです。
レモンスカッシュでも草間彌生でもマリメッコでもなかったのです。
水玉のひとつひとつがよく見ると違ったのです。
円形マーカー内の点はセンター(オレンジ)と外周(赤)に最低1個という感じかな。うまいなー。 pic.twitter.com/ol7kUGAfHL
— ミクミンP/Kazuhiro Sasao (@ksasao) 2018年4月30日
すでにひとつひとつの水玉のIDを認識できる仕組みも明らかになりました。IDが認識できれば12枚の写真のひとつひとつの水玉IDを関係付ければ3D化できるということかもしれませんね。
ZOZOSUITのマーカーのIDをとれるようになった。回転普遍性もバッチリ。 pic.twitter.com/p2pOk2FWch
— ミクミンP/Kazuhiro Sasao (@ksasao) 2018年4月30日
この方は水玉読み取りのソースコードまでつくってしまわれたそうです。
ZOZOスーツのマーカ、X-Tag: A Fiducial Tag for Flexible and Accurate Bundle Adjustmentに似てるな…と思ったけれど、むしろ(それより前の)文献1等で上げられているような、デジカメ使った産業用3D計測で用いられるLinearis3DやGOM等の円形マーカの亜流っぽい感じかな。https://t.co/qCzwRyiGSd pic.twitter.com/xWJQRHFjab
— Jun Hirabayashi (@hirax) 2018年4月30日
専門でなければ分からないレベルにまで話は及んでいます。
新ZOZOSUITで、購入者の3Dモデルを計測出来る可能性。見た目でがっかりしてた人多いけど、スーツの水玉は単に水玉ではなく、ハードウェアではなくソフトウェアで計測する点で意外と優秀なのかも。(そして不用意にネットにアップするのは、危険かもw) https://t.co/or4DE5OAFD
— 八谷和彦 (@hachiya) 2018年4月30日
測定結果を出す方法が、旧型のハードウェアから新型のソフトウェアに変更されたことが重要だという指摘も出ています。
こうしたテクノロジーの特許化状況がどうなっているのかまで注目を集めています。
最後にこの新型ZOZOスーツがイノベーション的にどういう意味を持つかにも話は拡がりはじめています。
新型ZOZOスーツの秀逸すぎるイノベーション論
zozoスーツによって皆国民レベルで毎日の体型変化がビッグデータ化されるのは厚生省予算換算で数百億のイノベーション
— Jun Rekimoto : 暦本純一 (@rkmt) 2018年4月30日
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